ひつまぶし blog

無職。全てにおいてレベル1 。なのに今はニューヨークひとりぼっち。おなかすいた・・。

ニューヨーク大学で行われた、ゲーム業界に就職したい人向けの説明会に行ってきた

NYU(ニューヨーク大学)Game Center(ゲーム学部)で行われた、ゲーム業界へ就職するには、という説明会に行ってきました。

カバーレターやレジュメ(履歴書)、ポートフォリオの書き方などの説明と、ゲーム業界で信じられている都市伝説などを、パネルディスカッション形式でニューヨークのゲームデベロッパー会社の方が話してくれました。

やはりアメリカと日本での違いが見て取れて、興味深いです。(というか日本が特殊な気もしますが)

 

Strategy Guide: Breaking into the Game Industry

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↓公式ページ(英語)

Strategy Guide: Breaking Into the Game Industry | NYU | Game Center

 

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プログラムについて

 

まずはゲーム業界関係者5人を招いてのパネルディスカッション。

その後は、横の会場に移り、レジュメやポートフォリオがあれば、レビューを受けることができます。

 

デザインやQAなどカテゴリーごとに分かれてのいろいろな話や、アドバイスが欲しかったらそれ用のディスカッションルームも別で用意されていました。

 

話が早い。そして至れり尽くせり。すごいイベント。

 

会場の様子

この後さらに混んできて、最終的には立ち見の人もいっぱいいました。

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パネリストについて

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暗いですが・・左からアマンダ、ジョー、シェルビン、マリア、トム。

アルカディウム15年くらい暦のある会社で、ニューヨークで一番長いゲーム会社のようです。

シェルビンとマリアはNYU Game Center(ゲーム学部)の卒業生でもあります。
ちなみにマリアは、6か月間のディズニースタジオでのインターン後にアバランチに入社したとのこと。

 

パネルディスカッションの内容

最初のパートではゲーム業界にまつわる都市伝説について検証してきました。

ゲーム業界で入社するための都市伝説

コネが必要?

(マリア)
みんなが思ってると思う。確かにコネはあったら良い。でもポートフォリオ、カバーレター、しっかりと準備すれば、誰も知らない会社でも働ける。

 

(ジョー)
レジュメはまぁ、どこの学校出身とか、誰も同じだからそれほど重要ではない。やっぱりポートフォリオが重要。

 

(アマンダ)
コネは確かに助けになる。が、才能のある人であれば、その人のためにポジションを用意したりもできる。

 

(司会者)
コネはドアではあるが、必須ではないというところか。

 

デザイナーはプログラミングしない

(ジョー)
うちの会社ではデザイナはープログラミングはしない。

 

(トム)
うちもそんな感じ

 

(マリア)
デザイナーでもプロトくらいなら作れた方が良い。プログラミングを知っていたら、とてもアドバンテージにはなる。

 

(シェルビン)
プロトタイプが自分で制作できるのは大きい。まずは作って、こんなアイディアがあるよと見せることができる。

 

(アマンダ)
プロトタイプができるデザイナーがたくさんいる。小さなチームの場合、一人で色々できなきゃいけないし、大きなチームの場合、別に一人で全部やらなくてもいい。

 

ポートフォリオはいらない

(シェルビン)
そんなことはない。デザインポジションは絶対だし、プログラマーでも必要。ショーケース。とても重要だと思う。

 

(トム)
何をやったかプロセス全てを書くことが重要。

 

(アマンダ)
恥ずかしがらないで全てを載せたほうがいい。

 

ゲーム制作に関する都市伝説

次のパートはみんなの夢を壊すかも?な内容。

デベロッパーは作家

(ジョー)
素晴らしいアイディアは誰からでも出る。

コアコンセプトがあれば、どんなものを作りたいかというのを、まずはアウトプットしてみんなに見せることが重要。紙でも。

インディでは、1~3人でアイディアを出して作っていくものだ。

 

(トム)
最初のDots(大ヒットスマホアプリ)は本当に小さなアイディアからスタートした。

ただ、自分にもできると思いがちだけれど、ヒットを出すにはすごく難しいということは意識してほしい。

 

(シェルビン)
どんな部署からでもいいアイディアが出るなら、あり。

 

(マリア)
会社とフィットするかというのが重要。

 

ゲームが素晴らしい開発者を作る

(トム)
カジュアルゲームだとたくさん作れるので、そうやって色々作ると力がつくというのはある。

 

(ジョー)
デザイナーにはいろいろなゲームをプレイするようにと言っている。人気のものは特に。マーケットを知ってもらうという意味にもなる。

 

社員全員がお互い何を知っているか、知っている

(アマンダ)
新しいゲームエンジンとか、情報とか、アジャイル開発についてとか・・みんな知っているというのはある。

 

(シェルビン)
ただゲーム業界は急激に変化する。そして急に全部がダメになるようなこともあるのでそういうとことも頭に入れておいてほしい。

 

(トム)
産業はやっぱり変わっていく。女性がゲームするようになった!とかも含め。そしてFBのゲームとか・・。革命は何年か後にくるので、心の準備を・・。

 

世の中のQAのイメージについて

(アマンダ)
そのイメージはかなり間違っていることが多い。

 

日々の業務は毎日楽しいはずだ

(ジョー)
学生のプロジェクトのように楽しいというわけにはいかない時も。特に大きな会社に行くとつまらないことも多い。

 

◯◯不足になることが多い

(ジョー)
時間に縛られるといろいろと不足することもある。ただもともとこのプロジェクトは1年以上かかる・・などもあるので、すごく働かなくてはいけないという時もある。

 

(シェルビン)
リリースしたゲームがすぐに炎上するのも見る時もある。
結果、オフィスに長くいる人もいるが、それがいいというわけではない。

 

(司会者)
ニューヨークの広告業界やテレビ業界と似ている。

 

(アマンダ)
プログラマーはバグを適宜直さなくてはいけない。QA待ちしたりなど他に影響されるときもある。

 

(ジョー)
ABテストとかそういうのが好きな人も確かにいる。とりあえずインディでは誰もが何でもやってる。

 

(シェルビン)
誰もやりたくない仕事は残ってしまう時もある。でもやらなくてはいけない。

 

ヒットタイトルを作れる

(トム)
確率は50%以下。小さいゲームをたくさん作ってきているので。数がある。

Dotsはいっぱいプロトもしたし、ラッキーだった。

 

(ジョー)
50%くらい。

 

(アマンダ)
同じゲームをずっとやっているから、あまりその感覚が分からない。

 

→これはカジュアルゲームが流行るアメリカならではです。日本だったらもっともっと低い。そもそもヒットの概念が違うかも。日本だったら売り上げで見るので、50%なんて高い確率絶対にありえない・・。

 

求める人材のパーソナリティについて

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(マリア)
コラボレーターが最も重要だと思う。

 

(ジョー)
ポジティブな姿勢は才能よりも重要。何度も同じことをやらなくてはいけなかったり、難しいことも起きたりする。それに対してポジティブに受け取れる人材であることが重要。

ネガティブな人は他の人にも影響するからよくない。

面接中にどうやって人と話すかというのは結構重要。例えば、すごい悪いことがあったけど、わあ!すごいポジティブに話すし、捉えてるじゃん!というのが分かるととても印象が良い。

 

(司会者)
面接とかレジュメとか・・そういうのはどうやってアピールすべき?

 

(トム)
今までのプロジェクトをどうやってやったかというプロセスの話を聞きたい。

 

(アマンダ)
ゲームジャム(Game Jam)の内容はかなりポジティブにとらえる。

情熱を見せるという意味では、やっぱり今まで何をやっていたかというところを見せてもらうことが重要。

 

(トム)
ゲームジャムはすごい良い機会。チームで作ることができるし、その時の経験や、やったこととか話せるという点でも。

 

(ジョー)
質問者の期待する答えを超えられなかった時でも、その場の解決力を見せることはできる。窮地に立たされた時に、その質問者に逆にWhat do you think?と聞き返すというのもアリかも。

 

(アマンダ)
批判を受けるのもとても重要。

 

求める人材のスキル面について

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(ジョー)
デザインは重要。デザインがなとゲームはできない。エンジニアだとしても。

 

(トム)
小〜中サイズのチームだったら、やっぱり全員がいろいろでしなくてはいけない。

 

(アマンダ)
コミュニケーターが何を指すのかというところはあるが、いろんな職種の人がいる中で、同じ言葉で話せたりするのは重要。コミュニケーションがとても重要。リーグオブレジェンドプレイしてる~とかそういう意味でも同じ言葉で話せるといいかも。

 

(司会者)
卒業生にとってどのようなスキルを学ぶべきと感じた?

 

(マリア)
私はデザイナーで、さらに前にはアーティスト(絵描き)という背景があるが、その時より今は物事を考えている。とりあえず、アートかコードのスキルは絶対に必要。コードの方が重要だと思う。

 

(シェルビン)
プログラミングはやっぱり重要。

プログラマーとデザインもできますというようには言っていた。

 

すごいゲームがプランできますというのはもちろんすごいけれど、やっぱりデザインができる、コードが書けるというようになっていることは超重要。

 

(マリア)
数学も。スプレッドシート(エクセルの事)も必要。小さい会社に行った方が色々経験ができるというのはある。

 

その他求める人物像

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(アマンダ)
まずゲームをプレイして欲しい。特に小さな会社だったらやったかやっていないかというのは超重要。

インディコミックとか、そいういうサイトを見るようにしたりして、ゲーム以外にも視野を広げて欲しい。

 

(マリア)
今日のパネルディスカッション前にちょうど人事部に聞いた。LinkdInのプロフィールはとても重要。そしてそこに変な写真を置いてはいけない。うちの人事部はその写真を確認していて、いけてない写真だと会いたくないと言っていた。なのでまずその会社の人事部をリサーチをして、何が好きなのかというのを事前に調べていたほうがいい。そしてカバーレターはそいういうところを特に意識して欲しい。例えば、担当の人事が女性でも、ミスターと呼んでくる人がたくさんいる。でも写真を見ればその人が女性なんてことは明らか。ちゃんと調べたほうが良い。

 

(アマンダ)
レジュメ(履歴書)は1ページで。

 

(トム)
レジュメにURLがあると、それをクリックするという作業ですら面倒臭い。

ポートフォリオは一発でわかるというのは重要。

 

(ジョー)
30社などにオファーを出している人は、カバーレターが適当で分かってしまったりする。せめて宛先を汎用的なDear Human Resourses Teamとかでなくもっと担当を調べるなどして欲しい。

30秒でカバーレターを見て、それを超えたらやっとレジュメを見る。

ポートフォリオも最初の5秒で一番いいところを伝えるように。例えばその5秒で、大学1年生に作ったものなどしか見れないようであればもったいない。全部見ることなんてない。ベストワークを一番最初に見えるようにしたほうがいい。

 

(シェルビン)
チームワークの話では一見ゲームと関係ない話でも強力な時がある。例えばチューターしてたよ。とかそういう経験もいいかもしれない。

 

 

ライトニングアドバイス

就活について

(シャビ)
meet upに行ったり、人に会いに行ったりして。

 

(マリア)
どのポジションも募集してなくても、オファーしてみる

 

(トム)
ニューヨークにはいっぱいイベントがある。顔を出す。

 

(ジョー)
プロでゲームを作ってる人とコネを作る。

 

(女性)
プロの人と友達になることを恐れずに。

 

レジュメについて

(アマンダ)
オブジェクティブはいらない。

 

(ジョー)
シンプルで。プログラマーならビデオを。コードはいらない。制作物をダウンロードさせるとかも避けて。

 

面接について

(アマンダ)
コミュニケーションスキルを見せるようにしたほうがいい。

 

(ジョー)
もうこの段階で、スキル面はクリアしているので、やっぱりコミュニケーション力を見ている。

 

(マリア)
自分がこの会社が合うかというのも考えたほうがいい。嘘をつかないほうがいい。

 

QAセッション

パーソナルプロジェクトをやっているのだが・・。

(ジョー)
パーソナルプロジェクトも素晴らしい。明確化が重要。

 

オーディオ制作者については?

(ジョー)
今たくさん応募をもらってる。

ポートフォリオではリスコアを繰り返した素晴らしい作品を聞きたいと思っている。

オーディオエンジニアリングはチャンスが多い。

何か面白いことをして欲しい。

 

(アマンダ)
オーディオができる人はレアだった。うちはコンポーザーはアウトソースしてる。

 

(司会)
オーディエンスの中に、今日はレジュメを見に来たっていうゲーム会社の人はいますか?

 

はい!子供にゲームを教えてる会社です。

ゲームデザインができる人を募集しています。夏に子供に教えることができる人、募集中です。

 

→この展開おもしろかったです。まさかこの時を待っているデベロッパーがいたとはw

NYCでのゲーム開発で役立つネットワークやサイトの紹介

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International Game Developers Association (IGDA)

IGDA(NYC)

NYU | Game Center

https://www.facebook.com/nycgameindustry/

gamedevmap

Babycastles

https://www.facebook.com/WIGINYC/

Playcrafting: Make Fun. Make Games.

 

レジュメやポートフォリオ添削会

大にぎわい。

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こんな感じで一人一人見てくれます。手厚い。

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以上です。

 

NYUのGame Center(ゲーム学部)が主催のため、学生の参加者も多かったようで、就職に関しても手厚く世話してもらえる印象を受けました。

ちなみに次の学期(9月〜)を現在募集中だったので、司会の方がちょいちょいうまく宣伝を入れていました。

 

カバーレターやポートフォリオ、レジュメも日本とはシステムが違うのでそれは気をつけなくてはいけませんが、結局見ているところと求めるところは日本もアメリカも近しいですよね。

出来上がったものよりもプロセスを聞きたいと言っている意見もあり、それはちょうどナイキの方が言っていることと全く同じだなぁと思いました。やっぱり一緒に働く可能性のある人だから、そういうところ気になりますよね。

 

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