NYUで行われたゲームのレベルデザインについてのセミナーに行ってみた
ニューヨーク大学(NYU)で、ゲームの主にレベルデザインについてのセミナーが開催されて、見に行ってきました。
ついでにその開催された場所も、スタートアップを応援する面白い建物だったので紹介します。
Level Design Pacing
レベルデザインとは?
プレイヤーの習熟度がこれだけ上がったら、レベルを上げようというような、レベルアップの具合に対するデザインのことです。
マリオでもwold1-1と最終面では全然難しさが違いますよね。あれです。
それをどうやって設定していくか、という話でした。
プレゼンテーターはー?
現在はこちらのゲームに携わっている、元はエイジオブエンパイヤシリーズをデザインしていたアトラスチェン(Atlas Chen)さん。
プレゼンの内容
ワークショップとセミナーの2部構成でした。
まずはレベルデザインってこんなことだよ、難しいよねというのをアトラスさんのオリジナルの簡単なボードゲームで体感して、その後詳しくセミナー。
ワークショップの内容
無料でピザが出ました。嬉しい〜。
ワークショップはサイコロを使った簡単なボードゲームでした。
レベル1からレベル5までを設定して敵を作というもの。
プレイヤーはその敵を倒していくので、プレイヤーにとって簡単すぎず難しすぎず、いい具合になるゲームを作るというのが目的。
スタート時にプレイヤーは20面のサイコロ1つと、8面のサイコロ2つと6面の普通のサイコロ3つを持っています。
プレイヤーと敵が同時にサイコロを振って、すべてのサイコロの中で一番高い数字がそのチームの攻撃力。その攻撃力が高い方が勝ちです。負けた方はその一番大きな数字が出ていたサイコロを捨てます。すべてのサイコロがなくなった方が負けです。
なのでレベル1では敵は、6面の普通のサイコロを4つ持っている。など簡単に設定。徐々にレベルを上げていくよう設定してみます。
途中にリーインフォースという助けの要素(一度負けても、次にそのリーインフォースに書かれているサイコロを追加してコンティニューができる)も入れてみて、とにかくプレイが白熱するように設定しようと試みます。
難しい!
私たちの作ったルールはプレイヤーに難しすぎて、すぐにプレイができなくなってしまいました。
ちなみにこれはアトラスさんが考えたゲームで、QAセッションで「これの答えはなんですか?」と聞いている人に対して、「特に用意していません。レベルデザインを体感して欲しかったので用意しました。」と言っていました。でも正直、どうすればより良かったのか気になりました。
セミナーの内容
レベルデザインはゲームデザインである。ただ単にレベルの難易度をデザインするだけではない。
ペース
レベルデザインにおける最も重要な骨の部分。
ペースの目的
・感情に訴えかける
→感情の起伏
・モチベーション維持
→ノベルティ
→進捗してる感
紹介されているのはこの本。
The Visual Story: Creating the Visual Structure of Film, TV and Digital Media
- 作者: Bruce Block
- 出版社/メーカー: Focal Press
- 発売日: 2007/10/31
- メディア: ペーパーバック
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音楽も重要。
写真がうまく撮れなかった・・。
難しすぎるとストレスが溜まるし、簡単すぎると飽きるとなってしまうので、その間を行こうという図。
左上の三角と、右下にも同じように三角があり、その間をうねうねと矢印が上に登っている図。
最初の方は映画見てるだけくらいい簡単でも問題はないが、ずっとそれではいけない。
めちゃくちゃ難しいのをやりたいという人もいるけれど、難しすぎないように気をつけなくてはいけない。
そしてその中のプレイヤーはまっすぐ成長していくのではなくて、カーブを描きながら登っていく。そのカーブは緩急を意味していて、難しくて頑張っている時と、リラックスして進めるという時を表している。この差が大事。
DDAのアクティブとは
プレイヤーがアクティブに動くことで、新しいアイテムをゲットして、今まで難しかったレベルがクリアできるということを指す。
セクショナルデザインとは
この面だけで使えるアイテムなど、ここだけのもの。
このような方がデザインしやすいというのはある。
コンティニュアスデザインとは
今まで持っていたアイテムを次のレベルに引き継げるという考え方。
クライマックスから解決まで行った後最後の最後に、さらに次がやりたいと思わせる仕掛けを仕掛けておく。(Clif-Hanger)
※Resolutionの最後の最後にClif-Hangerがある図があったのだが、写真に撮れなかった
全く見えないが、映画とTVシリーズの例も。
映画は最初ですごい引きつけて、徐々にクライマックスまで上がっていく。
テレビシリーズはその山が小刻みにある。
旅行についての例があったが、写真は全く取れず。
ただ、カスタマージャーニーマップにも似ている話だった。
ゴールや達成するものから作っていくか、ゲームのメカニズムやビジュルあるから作っていくかという話。両方ともいい点がある。
ただ、ゴールが見えていないと、チームでものづくりをする時に同じ目的を向けていないから辛いこともある。
プロトタイプを作って、楽しさの確認をするのは重要。
起承転結の話!
飽きをこなくさせるのは重要。
ずっとアクションだけでなくて、 パズルを挟むなどして緩急を。
2人プレイを用意すると、力以上のことができたり。思いがけない遊び方が生まれたりする。
飽きがこないよう、たくさんの場面を用意するために、制作にも工夫を。実はこの階段は橋のをつなぎ合わせて階段のように見せている。門も他の市場として使われているアセットの端を使っている。特にアセットが限られている時、このようにリユースするのが良い。
今実際にどこにいるのか、目的までどのくらいなのかということをプレイヤーに知らせるのは重要。
参考サイト
GDC Vault - Truth in Game Design
セミナーは以上でした。
NYU Entrepreneurial Institute (Leslie eLab)について
セミナーが開催された建物が、ニューヨーク大学起業ラボのようなところで、アントレプレナーへの支援やセミナーを行っている場所となっていました。
Leslie eLab - NYU Entrepreneurship
今までの実績など
NYU Entrepreneurship - New York University Entrepreneurial Institute
公式サイトを見ると、自分で作ったアクセサリーなどを売れるアメリカの有名サイト「Etsy」、アメリカのデリバリー業界で今一番成長している「seamless」、そして日本でも人気のアイスクリームの「Ben & Jerry's(ベンアンドジェリーズ)」そしてそして「Twitter」が名前を連ねています。
NYU Entrepreneurs Festivalなども開催しているようで、起業に対してものすごく活発に活動しているようです。
基本はNYUの学生をベースにしていますが、イベントによっては誰もが参加できるものとなっています。
建物の中は?
無機質な感じでオシャレ・・!この時もポツポツと学生(おそらく)がいて、熱く語り合ってるグループもいました。
おおお・・!アメリカのスタートアップという感じ。ここから始まるのか・・!
壁一面に、「iOSプログラマ募集中」であったり「Webデザイナー募集中」であったり、自分たちは今こういうことをしていて、自分たちのチームに今いないメンバーをここで絶賛募集しています。という紙が貼られていました。
プロトタイプ室・・?
覗いてみると、工具や機械が。
プロトタイプ(試作品)が作れる環境まであるのですね。
階段には・・
素敵な格言たちが。刺激を受けます。
以上です。
アメリカは有名企業が大学時代の起業からスタートしているパターンが目立ちますよね(Facebookなど)。こうやって大学を上げて支援している様子を見ると、これからも大学生の企業はますます盛り上がりそうですね。
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